ヴィンテージレポート
4月の霜により一部被害はあったものの、2022年は全体を通して力強い年となりました。チョーク質の岩盤と樹齢の高いブドウのおかげで、乾燥による大きな問題は避けられましたが、猛暑により初めてブドウに軽い日焼けの被害が出ました。収穫は通常より早く10月4日に開始しました。糖度が高かったため、アルコール度数が上がりすぎないよう管理するため、早めに摘み取りを行いました。酸度はスパークリングワイン造りに理想的な状態を維持し、安定した天候のおかげで、収穫はわずか12日間という短期間でした。
テイスティングメモ
果実味がピュアでクリアな、キレの良い辛口スパークリングワインです。マロラクティック発酵を行わないことで、活き活きとしたフレッシュな酸を保ちながら、口当たりには心地よいテクスチャーを感じられます。澱とともに最低22か月瓶内熟成、デゴルジュマン後6か月セラーで熟成し、深みと複雑さをもたらしています。10%のオークの香りが全体の味わいにほのかな豊かさを加えています。
マリアージュ
クリスピーなカナッペ / 貝 / フライドチキン / ゴートチーズタルト
井黒卓ソムリエ コメント
白ブドウと黒ブドウの比率50/50。生き生きとした酸味が魅力で、24ヶ月の澱熟成よりもしっかりトースト感を感じるヴァリューの高いスパークリング。青リンゴ、レモン・ブロッサム、ヨーグルト、カルダモンなど風味も豊か。パーシャル・マロ(一部乳酸発酵)によるしなやかなタッチ。ブリティッシュ・スパークリングのテキスト・ブックのようなテイスト。
井黒 卓 Iguro Taku / 銀座ミシュラン3つ星レストラン『ロオジエ』ワイン・ディレクター。第9回全日本 ソムリエコンクール優勝。その他入賞多数。日本ソムリエ協会にて理事のポジションに就きながら講師も務める。